行政改革も、歳出削減に大きく寄与するものでなければならない。
次に、地方分権の推進は今日では国民的な要請となっており、地方分権推進委員会は地方分権の推進に関する衆参両院の全会一致の決議を踏まえて、機関委任事務制度の廃止を含め、事務権限の大幅な地方移譲と国庫補助負担金制度の抜本的な見直し、地方自主財源の強化等について精力的な検討を行っている。
行政改革の実施に当たっては、地方分権推進委員会の勧告、意見が十分に反映されなければならない。事務事業の実施の権限が地方自治体に大幅に移譲され、しかも、その財源が直接住民が負担する地方税ないしこれに準ずる一般財源によって賄われるようになれば、納税者である住民の事務事業に対する監視の目が厳しくなり、歳出の削減にもつながるものと期待される。
その意味で、地方分権の推進と財政再建は相乗効果があり、同時並行的に実行できる。
中央省庁の再編成は、財政の再建や地方分権の推進を目指す行政改革の理念・目標に沿ったものであるべきことは当然であり、単なる数合わせであってはならない。
ところで、中央省庁の再編成がどのような形になるかについては、今後、行政改革会議等の論議を通じて次第に固まってくるものと思われるが、橋本総理は国会答弁等において、各省庁を四つの機能別に分類し再編成する考えを示されている。
すなわち、第一のグループは国家としての存続に関する事務を所掌する、第二のグループは国の富を確保、拡大する事務を所掌する、第三のグループは国民生活の保障に関する事務を所掌する、第四のグループは教育や国民文化の継承、醸成に関する事務を所掌するものとし、現在の省庁の持っている機能をこの分類に従って整理し、省庁を再編成するというものである。
各グループに属する省庁の名称や所掌事務の内容は、現段階では必ずしも明らかでないが、新聞報道等によって伝えられるところによれば、「財政省」(仮称)は中央政府のみならず地方自治体の税制や財政調整の事務も所掌するとのことであるが、そうなると現在の大蔵省よりもはるかに強大な組織が誕生することとなり、しかも、地方税財政の根幹が財政省の支配下に置かれる可能性があり、地方自治重視の見地からは疑問なしとしない。

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